2018.12.28 行って、見て、聞いてきた

小説家と、声優。クリエイターのために…!〝株式会社Lyact(リアクト)〟のおこりと、「Writone(ライトーン)」の未来を社長に聞いてきた

聞いてきた

こんにちは!「3rd Factory レポート」編集部です!

バンダイナムコアクセラレーター2018プログラムに参加する6チームを追う本シリーズ。いやー、ついにきました、ラストの6社目のご紹介です!福岡の会社ということで、東京在住の編集部はなかなかお会いでなかったのですが…。東京のバンダイナムコホールディングスで開催される、アクセラレーターミーティングへやって来られるとのことで、ようやくチャンスが!

それでは、株式会社Lyact(リアクト)代表取締役の古賀聖弥さんに、VoiceBook配信プラットフォームWritone(ライトーン)についてお伺いします。

株式会社Lyact 代表取締役 古賀聖弥さん

Writone(ライトーン)とは簡単にいうと「ボイスブック(音声小説)」の配信サービスのこと。

ライトーンは、なかなか活躍できていないライター(小説家)、アクター(声優)に新たな活躍の場と収入源を提供するためにつくられたサービスです。 ライターが投稿した小説に対して、複数人の声優が音声化し配信することができるため、同じ内容の小説でも、音声化したアクターの数だけ VoiceBookが存在することが特徴です。リスナーは小説の内容でも声でもVoiceBookを選んで楽しめることができます。

と公式サイトにもあるような、小説家・声優を結びつける新サービス。はたしてこのサービスはなぜ始まったのか、そしてわずか22歳の社長・古賀さんの、起業に至った不思議な経緯とは…?

高校卒業後、職を転々…。やっと見つけた自分の道
株式会社Lyact 代表取締役 古賀聖弥さん

――株式会社Lyact設立までの経緯を教えてください。もともと会社員だったと聞いているんですが…。

古賀:そうですね、もともと高校生の頃から起業したいという思いがずっとあったんですが、最初に大企業でビジネスの基本や礼儀を学んだ方がいいと、親から言われまして。工業高校の電気科を卒業したあと、すぐ電力会社に就職しました。1ヶ月でやめましたけど。

――見切り早すぎませんか(笑)。

古賀:起業をするにあたって何か学べることがあるかと思ったんですが、個人的にそうでもなくて…(笑)。起業するなら、やっぱり大企業ではなくスタートアップで現場を体験した方が早いと思い、東京や福岡のスタートアップを2年半転々として、エンジニアや新規事業の開発などを担当しました。仕事をしながら、自分の技術を身につけた感じです。

――それで2年半後に、株式会社Lyactを設立されたんですね。

古賀:いえ。その後、世界一周の旅に出ました。

――どういうことですか(笑)!

古賀:起業と一緒で小さい頃から、世界を周りたい、文化を見たいという気持ちが強かったんです。ただ、途中で旅に飽きてしまって、結局3ヶ月くらい、地球半周で帰ってきました(笑)。

――けっこうむちゃくちゃしてますね…。あの…そろそろ起業を(笑)。

すみません、ここからです(笑)。日本に戻って福岡で約1年ぐらいスタートアップで働いていたんですが、働きながら4月にリアクトを登記しました。でも、その時もまだやることは決まっていなかったんです。「起業」が目的になっているので、やりたいことが特になくて。

――その状態でも登記ってできるんですね(笑)。

古賀:登記だけやっちゃえ!ってノリでした。「起業する」というハードルをまず越えてしまえばその次が見えてくるんじゃないか…とも。本当にそれは正解で、登記をしてからようやく何の事業をしたいかがクリアに考えられるようになりまして。それで、7月辺りにWritone(ライトーン)のボイスブックのアイデアを思いつきました。

決めたらやるだけ!走り出したWritone

――サービス内容を決めて、どのように動かれたんですか?これまで声優さんや作家さんに関わるお仕事はされてませんよね。

古賀:そうですね、まずは2週間みっちり「こういうサービスを考えているんですけれども」と、ユーザー、声優、小説家の方にヒアリングを行いました。声優学校の文化祭に突撃したり、ツイッターでコンタクトを取ったり。それを受け翌月の8月には、クリエイター限定でβ版を公開しました。

――すごいスピードですね!

古賀:最小限の機能だけ搭載して、ですけどね。そこからフィードバックを貰いながら改良を進めて、iOSとウェブ版で10月に一般公開しました。

――…あれ?バンダイナムコアクセラレーターの事前セミナーとか交流会って、6月7月に開催しているみたいなんですけども…。

古賀:僕はそれに参加していないんですよ、まだ気付いてなくて(笑)。ベンチャーサポートの方から相性良さそうだと紹介されて、8月末ぐらいにギリギリ提出をした感じです。

――クリエイター限定でβ版を公開したのが8月ですよね?

古賀:はい、なので全然未完成の時期に、アイディアベースでプレゼンしました。よく採択していただけたなと(笑)。しかも弊社の投資家の1人が家入一真さんという方なんですが、サービスを始めた10月にSNSで告知していただけまして。拡散された結果、初速1万人以上の方に使ってもらえたという状況です。

見えてきた課題と、Lyact社の目標

――Writone(ライトーン)の「ボイスブック」サービスが実際に走り出して、感触はいかがですか?

古賀:「ボイスブック」のユーザーは①声優②作家③読者もしくはリスナー、と3種類に対分されるんですが、①声優②作家に関しては強いニーズを得られたことが検証でわかりました。ただ、③読者もしくはリスナーがまだまだ少ないので、世間の認知度を上げ、届け手を呼ぶことがこれからの課題だなというのは認識してます。

――そんななか、バンダイナムコアクセラレータとどのような取り組みを行っていく予定でしょう?

古賀:バンダイナムコさんと協力して、例えば有名な声優さんの起用のお手伝いをいただくであるとか、PRの部分でサポートいただくとか。可能性はたくさんあると確信しています。最近Writone(ライトーン)のデザインも大幅にアップデートしました。もう少し改善が必要だと思いますが、本当にこれからという感じです。

――この事業のゴールはなんですか?

古賀:小説はもともと好きでして。若い頃は、将来のことや友人関係など、いろんな悩みを読書で解決してきたんです。なので、同じような悩みを持つ友人などに「本を読んだほうがいいよ」といろいろオススメしてきたんですけども…「読む時間がない」「活字がめんどくさい」などと、全く読んでもらえなくて。

――活字嫌い、ってありますもんね。

古賀:そうなんですよ、でも音声だったら読んでもらえるんじゃないかと思いまして。このサービスを作ろうと思ったきっかけは、そこですね。簡単に言うと「もっと小説を読んでもらいたい」という気持ちなんです。そこからヒアリングを重ねるうちに見えてきた、業界の様々な問題も解決できるのではと思うようになりました。ボイスブックという新しい価値を提供することで、クリエイターにとって幸せな市場を開拓できれば、それで嬉しいですね。

作家が投稿した小説と、声優。奇跡のマッチングが誕生し続ける、音声小説配信プラットフォーム「Writone(ライトーン)」。「朗読」という価値のアップデート版とも言えるこのサービス、これからの発展がとても楽しみです!

ちなみに古賀さんの会社では、朝と夜はみんなでごはんを作って食べているそうです。節約とコミュニケーションが理由、ということですが、とてもアットホームで羨ましいです(笑)。

さて、今回でバンダイナムコアクセラレーター6社、全ての紹介が終わりました。プログラムの発表会は2019年2月。果たして6社がサービスをどう進化させてくるのか!?みなさん期待していてくださいね!